中学校の頃、吹奏楽部の練習メニューにランニングと腹筋・背筋などの筋トレがあったのを思い出しました。
あのトレーニングは一体何の意味があったのだろうかと今振り返ると疑問に思ってしまいます。
長時間のハードな練習に耐えうる根性や体力を鍛えていたと解釈するのが一番自然かと思い、そう解釈するようにしています。

そもそも、マラソンをするときの呼吸法と歌うときの呼吸法は違います。
マラソンでは肩をあげるようにして胸が持ち上がるようにして息を吸います。
息を吐くときは瞬間的に短く吐ききります。
一度に吸う空気が少ない分、回数を増やして吸います。

しかし、歌唱では横隔膜を下げて重心が下がるように息を吸います。
息を吐くときは歌うときですので、長く吐いていくことになります。
長いフレーズを歌うときには、たくさんの空気を吸わなくてはなりません。

もし、歌唱に必要な肺活量を増やすためにマラソンをしている人がいるならば、止めたほうがよいです。
呼吸によって喉が乾いて声帯を痛めてしまうかもしれません。
少し大げさかもしれませんが、しばらくは歌唱練習できる状態でなくなる可能性もあるでしょう。

歌唱に必要な肺活量を増やすためには、ロングトーン練習やロングブレス練習が効果的だと思います。
そのとき、たくさん息を吸うということにばかり気をとられないで、下半身の支えをしっかり意識し重心を下に保つことが大切です。
また、「腹式呼吸」をしようとするばかりに、ただお腹がぽっこり前に出るだけで少しも息が吸えていないという人が多くいます。
「腹式呼吸では肩が上がってはいけない」という指導をする方がたまにいますが、それも間違えです。
横隔膜を下げて肺に入る空気を増やした上で、胸を広げるとさらに空気が入りやすくなります。
そのときに肩も自然に上がってしまうのは仕方のないことですし、それだけ空気が肺に入っているという証拠なのです。

とにかく難しく考えることなく、自分の体に何がなんでもたくさん空気を取り込んでやろう!と意識することが一番大切なのではないかと思います。