ボレロは、イダ・ルビンシュタインと言うバレエ演者の依頼で、スペイン人役のバレエ曲としてモーリス・ラヴェルが作曲したものです。ルビンシュタインと当初ラヴェルは、ピアノ曲集の「イベリア」、イサーク・アルベニス作曲の6曲をオーケストラに編曲することだけで依頼を受けていたのです。

でも「イベリア」には既にフェルナンデス・アルボスの編曲が存在したのです。そこで、ラヴェルは編曲ではなく一から作曲することにしたのです。作曲は1928年の7月から10月頃にかけて行われたようですが、できた曲を友人であるギュスターヴ・サマズイユにピアノで弾いてみせたそうです。

そしてこの曲の特色であるオーケストレーションを変更しながら単一の主題を何度も繰り返すというアイデアをこの時に披露したのです。また、この曲は当初は「ファンダンゴ」というのタイトルを予定していたのですが、その後「ボレロ」に変更されたとも言われています。

1928年の11月にパリ・オペラ座において初演が行われたのですが、ワルテル・ストララムの指揮でブロニスラヴァ・ニジンスカの振付によるイダ・ルビンシュタインのバレエ団によって実施されました。その後「ボレロ」はイダ・ルビンシュタインが持っていたと言われる1年間の演奏会場における独占権がなくなると、各地のオーケストラによって取り上げられるような人気曲となったのです。

ラヴェルは、世界の一流オーケストラであれば「ボレロ」の演奏を拒否するだろうと考えていた様でこの現象に驚いたそうですよ。そして、彼自身は1930年の1月にコンセール・ラムルーを指揮して「ボレロ」の録音を行ないました。ちなみに1931年1月に日本の初演が日本青年館で実施され、NHK交響楽団の前身である新交響楽団がニコライ・シフェルブラットの指揮で演奏したそうです。