ピアノで指の動きを良くする目的で良く使われるハノン教則本というものがあります。
同じ指番号の動きで一音ずつずらして弾いていく機械的に感じる曲がほとんです。

「こんな機械的な練習はつまらないし、時間の無駄だ!」
なんてことを言う人もいるほどです。

では、なぜハノンはすたれずにずっと使い続けられているのでしょうか。
それは、シンプルだからこそ目標を絞った練習ができるということと、応用範囲が広いということが理由になっています。

ハノンの1番は、ドミファソラソファミを右手なら12345432、左手なら54321234という指番号で弾き、さらに1音ずつずらしたレファソラシラソファを同じように弾いていきます。

パターンが同じなので、ちょっと器用な人なら何度か弾いたらすぐに滑らかに弾くことが出来るでしょう。

この簡単に弾けるというところが重要なのです。
関節の支えがきちんとしているかや、思った音色で弾けているか、テンポを速めても粒がそろっているかといったチェックポイントを確かめて弾きたいからです。

もちろん同じ練習曲でもレベルによって目標は変わってきます。
初級では、速く弾いても粒がそろっているかという指を均一に使う練習が中心ですが、上級者では一気に軽やかに弾くこと、ある音だけにアクセントをつける、手のひらのコントロールで強弱をつけるといったさらに細やかな操作を、練習していくのに役立ちます。

ですから、ハノンのように決まった音型で指慣らしをする上級者も多いのです。