「二次小説を書いています。」私がこう言うと恐らく多くの友人は驚くことでしょう。それは二次小説というものが「オタク」や「ヤオイ本」といったものを連想させるからでしょう。私が足を踏み入れた二次小説という世界は恐らく確かに特殊な世界だろうと思います。ですが私の他に二次小説を書いている作家たちも、それらの小説を読む読者もみんなごく普通のお母さん、おばあちゃんです。

私は10年ほど前に放送された韓国ドラマの二次小説を専門に書いています。当初は自分の息抜きのためだけに、自分で楽しむためだけに非公開で書いていましたが、ある日ちょっとした間違いから公開してしまい二次小説家としてデビューする事になりました。

初めて「ファン」が付いたときは本当に穴があったら入りたい気分でした。でもいつしか「ファンがいるのが当たり前、ファンをもっと増やしたい。」そう思うようになりました。

そうしてファン人数が2千人を超えた時、別の作家がこんな書き込みをしたのです。
「ファン登録だけして実際に読んでない人、私の作品を評価しない人はブロックします。」と。私はこれに強烈な違和感を覚えました。
作品の評価は記事に「ナイス」することで表されます。その「ナイス」を押さない人はその人の作品を読ませないと言うのです。

私たちはプロではありません。彼女のように「ナイスを押さないブロックする」と宣言されてしまえば、本当にいいと思っていなくてもみんな「ナイス」を押してしまうでしょう。果たしてそれが本当に彼女の評価として受け取っていいのでしょうか?私は違うと思います。
私はそこで漸く初めてファンが付いたときのことを思い出しました。私なんかの作品を読んでくれる人がいて、ナイスを押してくれた。この人たちの期待を裏切らないようになりたい。そう思った事を。
初心忘れて舞い上がっていた自分がいたことを他の作家の言動に思い出させて貰いました。

二次小説家。確かに特殊な世界だと思います。でも、世の中や人生をもう一度見直す大切な場所でもあるのです。