現代でも古典音楽が弾かれているチェンバロ。
ピアノの原型となった楽器が生まれ、バロック音楽の中心地だったイタリアのチェンバロ製造事情は、現在どうなっているのでしょうか?

イタリアでは、第一次世界大戦後の頃からチェンバロ製造業が廃れてしまいました。
現状はわずかしか職人がいません。
フランスやドイツでは工場の規模で製作されている一方、イタリアは今でも小さな工房で、伝統的な手工業が主流なのだそうです。

古楽器製作の勉強に必要なのは、まず師匠(マエストロ)に弟子入りして学ぶことです。
また、各地の博物館やホールなどにある昔の本物のチェンバロを見に行くことも必要といい、実地で学ぶとはまさに職人の世界ですね。
材質を調べたり寸法を測ったりし、実際の楽器作りに生かすのだそうです。

あるイタリアのチェンバロ職人は、ほとんど17世紀と同じように作っているものの、弦をはじく爪にだけはプラスチック素材を使っているそうです。
当時は鳥の羽毛の軸や牛の皮が使用されていたのですが、弱い素材なので演奏中に折れることがあるのでプラスチックに変えたといいます。
音はほとんど変わらないのでこれでいいとのこと。
伝統が守れて、現代に合った素材を取り入れる柔軟さは素敵ですね。

この爪を付ける部分は基盤というのですが、一台のチェンバロには180もの基盤が必要で、演奏する時に音に差が出ないように一つ一つ手作りするのだそうです。
正確な技術がなければできない技です。

イタリアでは、このように手作業を続けているため、守られている技術もあるのでしょうね。
音楽の国イタリアで、これからもチェンバロ製造業が残ってほしいものです。