ロックの黎明期に活躍し、幾多のメンバーチェンジを経ながら今も活動を続けている生ける伝説のバンド“The Who”。その最初期のドラマーでありながら、1978年に急逝した伝説のドラマーが、今回紹介するキース・ムーンその人です。
 キースのドラミングは高いテクニックを誇っただけでなく、それまでのドラマーに比べてあまりにも革新的であったことから、今もなおハードロックなどの世界ではお手本のドラマーであり続けていると言えます。

 キースのドラミングにおいて最も特徴的なのは、高いテクニックに裏打ちされた「計算された破天荒さ」です。キースのプレーにはフィルを入れるタイミングなど、それまでのドラマーでは考えられなかった点が散見され、一見すると適当にめちゃくちゃな演奏をしているように見える場合もあると思います。
 しかしながら彼は元のテクニックが高く、それゆえ曲の構成を邪魔せず、その上で最大限破天荒なプレーが出来るように彼の中で実は緻密な計算がなされているのではないかと思います。(彼の性格上計算ではなく、ある意味野性のカンなのかもしれませんが……)

 また、彼の功績として絶対に触れなければならないのが、楽器を壊すというパフォーマンスを作り出したことです。ドラムセットを壊す、というパフォーマンスは当時としては衝撃的だったことでしょうし、後世にも多大な影響を与えました。
 またキースはドラムセットだけでなく、ホテルの窓や友人の家なども壊しまくっていたという逸話があります。それだけエキセントリックな人物だったからこそ、死してなお後世に影響を与え続けているという節もあるかもしれませんね。