静かながら変拍子やテクニカルな演奏で独自の世界観を作り出す日本のポストロックバンド、“toe”。そのサウンドを多彩な手数と確かな技術で支えるのが、今回紹介する柏倉隆史氏です。
 柏倉氏のドラミングもまた、筆者が衝撃を受けたもののひとつであり、筆者がいわゆる「手数多い系ドラマー」を好きになるきっかけになったドラマーの一人でもあります。

 柏倉氏のドラミングの特徴は前述したとおり、なんと言っても豊富で多彩な手数にあると思います。toeの曲にもよりますが、こんなに多様な引き出しを持っているのかと思うくらいに多様なリズムパターンで、しかもそのどれもが音数の多さに圧倒されるパターンばかりです。
 百聞は一見にしかず。未見の方は是非一度toeのライブ映像を見てみることをオススメします。柏倉氏はどうやら独特の手癖があるらしく、しかしながらそれがマイナスポイントにならずむしろ手数の多さに一役買っており、そういったことも相まって氏のドラミングは唯一無二の存在感を放っていると言えます。

 柏倉氏はtoeの他にも最近ではthe HIATUSでの活動が有名ですね。しかしながらこちらの方では音楽性の問題もあるのでしょうが、柏倉氏の手数が生かされるドラミングが也を潜めているように感じます。
 やはり柏倉氏のドラミングはtoeでの活動で輝きを放ちますし、そのような氏のドラミングの良さを最大限に引き出しているtoeの音楽性にもあっぱれと言うべきなのかもしれませんね。