「今何時? そぉーねぇ、だいたいねぇ~ぇ」

この文章を見ただけで、だいたいの日本人は、桑田さんの”あの声”を連想するのではないでしょうか?そう、わが日本を代表する国宝級バンド、サザンオールスターズの看板曲「勝手にシンドバッド」ですよね。

これを歌うには”あの声”でなければ!と思ってしまうのは私だけではないはず。これを普通の声でやったら味もそっけもないものになってしまう…それほどまでに桑田さんの個性的な”あの声”は私たちに刷り込まれています。

そもそも桑田さんは、”あの声”に憧れていたらしいのです。
桑田さんは知る人ぞ知るエリック・クラプトンの大フリークで、青学時代には自称”日本のクラプトン”と名乗っていたとか。クラプトンと言えば、しゃがれてハスキーな歌声が魅力。そんなクラプトンに憧れた桑田青年は、酒とタバコで喉を傷めつけて”あの声”を獲得したらしいのです。

そんな桑田さんの”あの声”は、比較的マネしやすいのか、誰でもそれっぽく出来てしまいます。しかし、一度やってみて分かるのは、喉を締め付けて、絞り出すように出さなければならず、長時間やっていると喉への負担がかなり大きいこと。

カラオケBOXで、どこかの部屋から桑田さんのモノマネが聴こえてこない日はないと言ってもいい位、誰もが「お気軽に」やってしまう歌い方ですが、特にお酒が入っている時は要注意。お酒は適度な潤いが必要な声帯からアルコール分解のために水分を奪います。だからお酒を飲むと喉が渇きますよね。そんな乾燥した状態で素人が”あの声”をマネしたら…

桑田さんは、無理して”あの声”を出しているのではなく、痛めつけた結果の発声だということを肝に銘じましょう。

我が道を行け、桑田佳祐

個性の塊で、作曲作詞のセンスは唯一無二の存在である桑田佳祐さん、歌唱も個性まるだしで、
ボーカリストとしては賛否両論あるかと思いますが、そういった上手い下手というものを
超越したような存在という感じです。

歌唱については、喉を開いて共鳴で響きを・・・なんて言う正統派からかけ離れたものが
ありますが、一点言えることは、ライブなどでもピッチは非常に安定しているということ。
逆にあれだけ喉に負担をかけた我流発声で、長時間あの安定感を保てるのは素晴らしい
とさえ感じます。

発声についてもう少し観察すると、シャウトやファルセットを用いる箇所以外は、
特別高い音は出てこない、地声だけで歌える音域に限定されています。なので、
ミックスボイスの類をつかっているのをほとんど聴いた事がありません。
モノマネの方にも良く真似されていますが、喉を開くどころかちょっと詰まらせて、
こもらせるような出し方をしています。子音が強目に発音されています。
個人的な感想としては、とことん我流だなと言う印象です。
ただ、高音部の発声などを聴くと、しっかり腹式呼吸を使って支えているのを感じます。
歌の基本を学ぶ方は、あまりお手本にしない方が良いと思います。

また桑田さんの特徴として、パフォーマンスや演出でとにかく楽しませる
エンターティナーであることがあげられと思います。
楽しいことを考えたり、しかけたりするのが本当に好きなようです。
恐らく、サザンオールスターズのコンサートもほとんど桑田さんが演出されて
いるのではないかと思います。

その奔放なイメージとは裏腹に、楽曲のメロディや歌詞の使い方は緻密な、鋭いセンスを
持っています。歌うと自然に気分が良くなってしまう、かっこいい、
つい口ずさみたくなる、なんか心に響く、そんなメロディと言葉が散りばめられています。

日本のポップスの代名詞と言ってもいいサザンオールスターズの桑田佳祐さん、
私が思う彼の活躍の裏には、いつも何かに新しいものに挑戦し続けている、
そんな精神を感じます。これからも、新しい物を生み出し続けて、
私たちを驚かせて欲しいと思います。

桑田佳祐さんの歌い方に学ぶ、声量アップの基本

桑田佳祐さんは特徴的な歌い方が持ち味ですが、とくに目立つのは小さい声で歌っている点です。
声量が重要視されがちですが、桑田さんは小さい声なのに力強さを感じます。
おそらく桑田さんは喉に力を入れていないからこそ、力強さを感じる歌い方が出来ているのです。

声量を上げようとすると、どうしても喉に力を入れたり、吐く息の量を増やしたりします。
これは基本的にやらないほうがいい場合が高いです。

声量といっても、大きい声を出せば良いわけではありません。
大切なのは息が無駄なく声に変換される事であり、要するに「ムダに息漏れのしない声」を出すのが重要です。
息漏れが無ければ、たとえ小さくてもはっきりと聞きとれますし、この感覚を掴む事で大きな声を出。す事にも繋がります。
「声量」を上げる為には、「息を効率良く声にする」練習をすることが非常に大切です。
息漏れを減らして声帯を効率的に振動させないと、疲れるばかりで効果が薄いです。

息漏れが多いままに大きい声を出そうとしても、息漏れだけが大きくなるので聞きとりやすい声は出せません。
声量の練習では「喉をひらく」とか「体に響かせる」といったイメージ重視の言い方が多いですが、まず意識すべきなのは「息漏れを無くす」事です。

まずは「小さい声のまま息漏れを減らす」練習をしてみると良いかと思います。
効率の良い声の出したかを身につければ、普段より声量が出ているような気がするし、声の伝わりや響きも違う事が分かるでしょう。

効率良く声を出す事で、声量の上達はかなり違います。

桑田佳祐は稀代のブルースギターリスト

我が日本を代表するバンド、サザンオールスターズ。そのサザンの顔と言えば、桑田佳祐さん。

そんな桑田さん、やはりボーカリストというイメージが強いですが、実はかなりの腕前を持つギターリストでもあるのです。

まだプロデビュー前の青山学院時代には、“和製クラプトン”の異名を持つほどに、ブルースギターにハマっていた時期もあったそうで、確かに彼のギターにはブルースの香りがプンプン漂います。

特に、80年代後半に期間限定で活動したKUWATABANDの時には、渋いFenderのテレキャスターを持って、とてもブルージーなソロを披露しました。2枚組でリリースされた“Rock Concert”というライブアルバムで、それが確認できます。「Red Light Girl」のイントロのギターソロなどでは、かなり渋いソロを展開しています。「I’m a man」では、ボトルネックを使って、いぶしぎんのスライドギターも弾くなど、まさに八面六臂の活躍でした。

桑田さんのルーツには、洋楽があるのは確かで、さまざまな曲の中でその片鱗を聴くことが出来ます。確かに、ソングライティングもさることながら、彼を特徴づけるあの独特の歌声と歌い回しは、日本語という枠を超えて生み出されたものでしょう。

彼の歌い回しは、本当にブルージーという言葉がピッタリのものですが、それとあのギターの渋さは、不可分なものだというのは間違いなさそうです。TVで歌うような、あのキャッチ―な曲もいいですが、もっとギターを前面に出したパフォーマンスも観てみたいものです。

桑田さんは滑舌の悪さと声量の小ささを武器にしている

サザンオールスターズの桑田佳祐さんは、「力強い歌い方をする歌手」の代表として語られるような人です。
実際に曲を聴いてみても、力強さを感じる声で聴く者の心を揺さぶります。

しかし、桑田さんの声自体はとても小さいです。
声量の小ささに加え、早口で歌う曲を聴くと滑舌もあまり良いとは言えません。
ならば、なぜ桑田さんの歌い方には力強さを感じるのでしょう。
おそらく、声量の小ささと滑舌という弱点が、逆に桑田さんの持ち味となっているからです。

桑田さんの歌い声は本当に小さいです。
声が小さいということは、逆に言うと声帯に負担がかからないという事になります。
おそらく、大きい声を出そうと思えばもっと大きな声で歌えるのでしょうが、そうすると歌い方に意識がいかなくなります。
小さい声で歌っているからこそ、力強さを感じる歌い方が出来て、長い時間歌い続けられる。
桑田さんの歌は、声量の小ささを武器に使っているのです。

加えて、桑田さんの滑舌も歌に良い味付けをしています。

音楽番組で歌詞の字幕が出るのは、今でこそ当然になっていますが、昔は歌手は明瞭な発音で歌うことが大前提とされ、聞き取れない歌は言語道断だったといいます。
しかしサザンオールスターズがブレイクし、それをきっかけに字幕が付けられるようになりました。

それまでは巻き舌で歌詞が聞き取れないような歌い方はダメだとされていたのに、その音楽業界の風潮を破ったのがサザンです。
それ程に、桑田さんの歌は味わい深いものだということを表すエピソードです。

これは真似しようと思って出来る事ではありません。
小田和正さんの声を誰でも出せないのと同じで、桑田さんの歌い方は桑田さん独自の持ち味です。
うかつに真似するのは危ないかもしれません。

しかし、桑田さんの歌い方は、歌の上手さは声量や滑舌だけではないと証明してくれています。
ボイストレーニングを続けて上達してきたら、自分の持ち味を追及してみるのも選択肢の1つとして持っておくと良いかもしれません。