日本でウィスパーボイスが市民権を得たのは、渋谷系という音楽が流行した1990年代前半。フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴなどが人気を博し、その流れで出てきたカヒミ・カリィなどの女性ヴォーカリストのほとんどが、ウィスパーボイスを武器に音楽シーンに乗り込んできました。

当時の渋谷系はファッションの一環として成立してきただけあって、雰囲気作りが何よりも大切でした。そして既存の音楽に対抗する意味も含めて、フィーチャリングされたのが声を張らずにそっと囁くように歌うウィスパーボイス(ウィスパリング・ボイス)による歌唱法です。

ボサノバなどのけだるいリズムに囁くようなウィスパーボイスというのは、当時から流行したおしゃれなカフェの必須BGMとしてマーケットを広げていきました。

そのウィスパーボイスの出し方ですが、簡単に言ってしまえばと息混じりの歌唱法です。

声帯をキュッと締めてしまう代わりに極限までくつろがせて、まさにしゃべるように歌う(その意味を持つグループ名のSING LIKE TALKINGはきちんと歌っていましたが)のが原則。

全編この歌唱法で歌うのは、少々今では無茶かもしれませんが、要所要所で使う唱法としては非常に効果的なので、マスターしておくといいかもしれません。