一般的に、私たちが聴いてオペラ的な声だなと思うものは、主に「ベルカント唱法」という歌唱法で歌われていることが多いです。
ベルカントとは、イタリア語で「美しい歌」という意味があり、イタリアの伝統的な歌唱法です。喉に負担をかけず、低音から高音まで伸びやかに発声をするのが特徴的です。

ベルカント唱法に対して、ドイツ唱法という歌唱法があって、その二つは相反するものです。どちらの発声が正しい、ということではなく、曲に合わせた適材適所の歌唱法を使って歌うべきなのです。
今回取り上げている、ベルカント唱法は、イタリア語の発声に基づいているので、イタリア歌曲やイタリアオペラを歌うときはこちらが適しています。ベルカント

唱法とドイツ唱法の大きな違いとして、横隔膜の使い方と支え方の違いがあります。
どちらの唱法も、腹式呼吸であることは変わりませんので、横隔膜を下げて息を吸います。この後の息を吐きながら声を出す時が違うのですが、ドイツ唱法では下がった横隔膜を保ったまま発声します。

対してベルカント唱法では横隔膜を上に上げながら声を出します。横隔膜が自然に動くベルカント唱法は、リラックスした
状態と同じなので、自然の生理に逆らわない発声なのです。
もう一つの支えですが、声を響かせるためには声を支える必要があります。ドイツ唱法では下腹に力を入れて支えますが、ベルカント唱法では腰に力を入れます。支えが腰にあることで、体の前面に力が入らないので、胸や喉、手が自由に動かすことができるため、オペラの演技がスムーズにできるのです。